序文の「人類は、戦争のためよりも、宗教儀礼のためよりも、芸術や学問のためよりも、食べる物を生みだす農業のために、いちばん多くの汗を流してきた」という一文は重いな。
野生種の穂をつかもうとすると、たちまち壊れる。これを粒の脱落性という。
農耕文化ではほとんど同一のものを持つのに対し、言語、結婚制度、社会組織では大きな差異が見られる。
東南アジアの熱帯林で、バナナ、タロイモ、ヤムイモ、サトウキビが開発したことは、人類の生活史上の革命の1つだった。
照葉樹林文化の酒は、穀類の澱粉を麹カビの力で糖化するユニークな方法である。
マメが食糧のリストに入るには、鍋、つまり土器の存在がポイントになった。
サバンナ農耕文化は、多種多様なマメ類を栽培化したが、ダイズだけが近代機械化農業に適応した。果菜類を副食として開発し、油料種子の栽培にも成功した。スゴイ。
根菜農耕文化は豚と鶏を家畜化したが、サバンナ農耕文化は何も家畜化しなかった。地中海農耕文化は牛、羊、山羊、馬、驢馬を家畜化した。
大麦の小麦に対する相対的地位が高いのは、チベット、エチオピア、そして日本なのだそうな。