筆者はカリブ海文学者というより、カリブ文化研究者のようだ。

アリストテレスは生まれつきの奴隷がいるのだと結論した。

モンテスキューはソバージュを狩猟民、バルバールを牧畜民とした。

リンネは類人猿に隣接する人間としてアフリカ人を想定した。

サラ・バートマンのホッテントットヴィーナスは凄絶。

ルナンはヨーロッパ人が軍人にして貴族として世界の統治者にふさわしいと考えた。ヒトラーまで地続き。

フランスではダーウィニズムは、社会科学の自然科学への適用という反転した構図の中で受容された。

アーレントの論理が示すのは、ヨーロッパ文明が暗黒大陸アフリカに退化退行するということに過ぎない。

優性思想は「同情」を伴った、弱者の排除に向かう。