わたしは花火師です―フーコーは語る (ちくま学芸文庫)

わたしは花火師です―フーコーは語る (ちくま学芸文庫)

 

 例によって大部分退屈なので,興味を惹いたところだけ。花火師=火炎瓶を投げる者=テロリストということですな。☆★

書物そのものは,その効果のうちに,その効果によって消滅すべきなのです。「書くという営み」なるものは手段にすぎません。目的ではないのです。「作品」というものも目的ではありません。

作家も三十代をすぎると,周囲に学生たちを集めるようになり,学生たちはその作家の作品を分析して,学位を取得するようになるのは,いまでは周知のことです。そしてほとんどの作家たちが,大学人として,大学で講義をすることで生計を立てているのも,いまでは周知のことです。

この思考の方法(批判的な態度)は,道徳的な態度であると同時に政治的な態度でもあり,わたしはこれをたんに<統治されないための技術>と呼びたいと考えています。これは<いかなる犠牲を払っても,このような方法で統治されないための技術>とも呼べるでしょう。

軍隊のこの技術的な変革のために,陸軍病院は技術的にも軍事的にも重要な課題となりました。まず兵士たちは高い費用をかけて養成したのですから,脱走を防ぐために陸軍病院では病人を監視する必要がありました。次に兵士たちが病気で死なないように,治療する必要がありました。第三に,治癒した後には,兵士たちが仮病を使って病室にとどまることがないようにする必要がありました。