いささか古い本だが、根本は今でも通用する というか、ますます内容は正しい。
アメリカの侵略戦争を批判するときに非暴力の立場を取る必要はない
西欧左翼のかなりの部分が、政府の臆病と弱腰を批判することが自分たちの使命だと考えた。
第三世界にとって国際法は、脱植民地化の際、西欧の脅威から自分たちを守ってくれると思うことのできた盾であったのだ。
人民戦線よりもヒトラーを、はフランスのブルジョワ、英国の貴族、アメリカの経営者層などの態度を反映するスローガンであった。
現在では、フランス左翼を支配する思想は、何より反米主義に陥らぬこと、イスラム原理主義者の利にならぬことなのだ。
人権を名目にした介入イデオロギーは平和運動と反帝国主義運動をつぶすのに完璧な働きをした。
ファシストとナチスを打ち負かしたのはスターリンの赤軍であり、西欧の民主派でも反ファシストでもなかった。これは現在にも直接つながる。
西欧の知識人の間では、第三世界の人々は経済面では無能な独裁者の支配する抑圧的な政治の下で暮らし、彼らが待ち望むものは、善良で、民主的で、進歩的で、経済的にリベラルな西欧の援助・支援・軍事的解放なのだ、という大幻想。