- 作者: エミールゾラ,Emile Zola,小林正
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1966/09/16
- メディア: 文庫
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http://poirier.exblog.jp/20648472/
に触発されて読んでみた。確かに堂々たる姦通小説である。仰せのとおりに
http://www.inlibroveritas.net/lire/oeuvre23981.html
をスマホアプリにして訳文と照らしあわせて読んでもみた。主人公の女も男も,どちらかと言えば欠点が多く容姿にもさほど恵まれぬキャラなのに,性慾の赴くままに享楽に耽り,遂には殺人を犯して結婚までこぎつける…というお話。7章でテレーズが戀に覚醒め,異様な美を放ち,娼婦courtisaneとなる辺りの描写。少女時代ボエミエンヌのような暮らしをして母はアフリカの部族の出自だという妄想。9章の腹這いで悶えながら,枕を唇で咥え,テレーズの匂いを吸うローランの変態描写。13章のモルグ(死体公示所)に集まる人びとの人間模様。下世話なだけに印象的な場面が連続し,飽きさせない。