このタイトルでは、2022年の現在では不適切扱いされるんだろうなあ。ってか、泰淳が死んだのは現在の私の年齢なのか! 泰淳、本領発揮の短編集なり。

しかし、此処に記されているのは、紛れもなくエロティシズムであり、ニンゲンの壮大でありつつも卑小なサガとでも云うべきモノ。底抜け感なるものかしらん?

冷徹な十三妹、破滅的魅力の蛇女、気丈でたのもしい看護士と盧州の雑然、ロープシンの跋文を書いたばかりに日本警察に勾留された学者、歴史学は祈りであり呪いでなければならぬという漢奸、劉邦は大言壮語する怠け者と云う女帝呂太后は戚夫人の両脚を切り落とし、目耳口を奪った!

とりわけ、大興安嶺に暗躍する?日本人学者&工作員とヤクート女のデコボコぶり。カモシカファースト! そして、ハンダハンなる不可思議な獣肉! うーん、これはトンデモナイ面白さだわ( ̄∇ ̄;)