主権のかなたで

主権のかなたで


ルナンやシュミットの話は正直よくわからん。理解できて面白く思った部分をノートしておく。著者自身がFBIに取り調べを受け,入国拒否されたのは知らんかったわ。

「人間として恥ずかしい」は人間主義の言表である。…この言表行為の主体自身は,「人間」への帰属を問題化することなく肯定している。…それに対して,「人間であることの恥」は,人間主義のリミットの言表である。…それは「人間」への帰属自体に対する違和感,抵抗感を表明する。

デリダの考えでは,コロニアリズムはヨーロッパとその外部の間で始まるのではない。ヨーロッパの,その地理的境界の「内部」で,その歴史のただなかで,つねにすでに始まっていた(そしてなお終わっていない)のである。ヨーロッパ自体がある意味では植民地であり,コロニアリズムがヨーロッパの本質をなすのはそのためである。

この名(日本)が日の丸によって図像化されるやいなや,他者の痕跡が,大陸との関係が,7世紀初頭の東アジアの権力構造が,きれいさっぱり消えてしまう。名が欲望しながら実現できなかった自己中心化的な忘却を図が実現したわけである。