食事の文明論 (中公文庫)

元の本は1982年刊なので、データはやや古い。

以下、抜き書き。

一人一人合作専用の膳で食事をしていた頃は、飯と汁のほかは二種類のオカズのみだった。

酒はナルコティックス=麻酔薬の一つであった。独酌が日常化するのは明治以降。

飢えた奴隷を酷使しながら、山海の珍味について語れる者が美食家の資格をもっていた。

オトコは狩り、オンナは家事って、現在の目から見るとジェンダーバイアス掛り過ぎに思える。

宗教が快楽否定に走るのは人間の欲求水準を低く抑えることで秩序を維持する方法である。

スパイスは東南アジアなどからヨーロッパへ輸入されたもの、ハーブは地中海岸のシソ科とセリ科に限られる…ってのは初めて知った。

食の民主化を達成した日本は、反面、食の帝国主義を達成したとも言える。

なべに直箸を入れ合うのは、乱交パーティーのようなもの!

日本の食事文化が変動期にあるので、クローズドシステムの文化とはなりようがない。