赤ひげ診療譚 (新潮文庫)

いきなり殺人淫楽の話!

人情話ではあるのだが、酷薄である。

主役が次々と変わり、そこに江戸の各地の模様が濃厚に描かれる。

療養所を畳でなく板敷にしたのには理由があった。

赤ひげ曰く「売色が悪徳だとすれば料理茶屋も不必要だ」といい、「盗みも知っている、売女に溺れたこともあるし、師を裏切り、友を売ったこともある。泥棒や売女や卑怯者の気持がよくわかる」

「世間からはみ出し、疎まれ嫌われる者たちは、善良ではあるが才知に欠けた人間が多い。せっぱ詰まった状態にぶっつかると、自滅するか、是非の判断を失ってひどいことをする

おくめ殺しはミステリなり。