福島の原発事故をめぐって―― いくつか学び考えたこと

福島の原発事故をめぐって―― いくつか学び考えたこと


理論と技術からはいり,哲学の貧困をつき,文学にとび,社会運動に結ぶ。やはりこの人は総合科学格闘家なのだなあと思う。

「核力による結合が化学結合にくらべて同様に桁違いに強いことを意味し,そのため人為的にその結合を変化させることがきわめて困難だからである」「ヴェルヌの物語が特筆されるべきは…科学技術が自然を超えられないばかりか,社会を破局に導く可能性のあることを,そしてそれが昔から変わらぬ人間社会の愚かしさによってもたらされることを,はじめて予言したことにある」「抽象的で微視的な原子核理論から実際的で大規模な核工業までの…過程は,私企業を超える巨大な権力とその強固な目的意識に支えられてはじめて可能となった。それは官軍産,つまり合州国政府と軍そして大企業の首脳部の強力な始動性のもとに数多くの学者や技術者が動員され組織されることで実現されたものであった」