★観光コースでないアフリカ大陸西海岸(桃井和馬・高文研)…どーにもエラそーな文章で,突然引用やら会話やらで結論を急いだり,情緒に訴えたり,到底説得的とはいえないし,写真も大して面白くない。
★王道(Aマルロー・講談社学芸文庫)…マルローにはどうもドゴールに癒着した悪いイメージがあって,今回初読みだが,まったく乗れず。
★チンドンひとすじ70年(菊乃家〆丸・岩波フォト絵本)…写真が趣深し。
★焼肉の文化史(佐々木道雄・明石書店)…プルコギの日本語訳が焼肉なのではなく,焼肉のハングル訳がプルコギなのだ,という説には説得力がある。正月にざっと読んだ宮塚利雄の説や四方田犬彦センセの与太を一蹴しておる。ま,本としてはタルイけど。
★サイケ(姫野カオルコ・集英社)…短編6つの中では,最初の「イキドマリ」が最もよい。小説はやはりこの程度は暗くないとあかん。まあまあなのが「お元気ですか,先生」で,ダメなのが「モーレツからナイーブへ」。「少年ジャンプが…」も他人事感が漂う。内輪受けでしきゃないし,あんたらも充分勝ち組ですってば。同世代だが,マンガあんま読んでないし,万博全然興味なかったしなあ。