司馬遷 (中公文庫 た 13-11)

いやはや、序文の多いこと(;´∀`)

司馬遷は、おめおめと生き恥をさらした。腐刑といい、宮刑という、性格まで変るという刑罰を受けた後、日中夜中身にしみるやるせなさを噛みしめるようにして、生き続けたのである。

勇敢卑怯は時の勢であり、強い弱いは時の有り様にすぎぬ。

道家には出来上がった勢いは無く、物の先とならず、物の後にもならぬから、万物の主となることが出来る。

徳をもち武をもつものは勝利者となるし、妖は徳に勝たず、とな。

豪傑も英雄も、恐怖にかられて動く。

孔子は喪家の狗を自認した。

儒者は財産をつぶしてまで相識を盛大にやる。

孔子に対して老子曰く 貴君の驕りと多欲と態色と淫志を去れ、と。

叔孫生は普通の倫理、普通の哲学では理解できないが、漢代文化の建設者であることは疑うべくもない。

文学と歴史のけじめがなく、芸術と現実のわけへだてがない世界を、よろしと、考えたいのである。

戦国の世にあって、敵を殺しいくつ首をとったかは、けだし豪傑である。