追われゆく坑夫たち (岩波新書)

「この世の地獄が地獄じゃ」ではなくて「この世で地獄におるもんが地獄じゃ」という老婆の言葉に筆者は拘る。

パッチンなる炭鉱の経営する売店にのみ通用する私幣の乱発。

田川まで30キロ、福岡まで60キロ離れているのに、徒歩で血を売りに行く。

募集、募集人を没収、没収人と発音する。

こまいヤマには指がないとか片腕ないとかカカシのようなチンバばかりだった。

最初の10日くらいは高賃金で、それ以降は賃金切り下げ、支払い遅延!

やはり端島は監獄島!

炭鉱労働者に対する農民の差別感情衰えず。

四肢付随の男が射爆場の弾丸ひろい。

下請炭鉱の労働者が親会社の浴場や共同水道を使用することを嫌い、会社に禁止させるのは、いつもきまって親会社の労働組合や主婦会なのだ。