ロシア士官の見た徳川日本―続・日本俘虜実記 (講談社学術文庫 (676))

日本人に欠けているもの、剛毅、勇気、果断と称するもの。

日本人の短所のうち、最もつよい支配力をもっているのは色欲。京都では男性同士の情交に少年を提供している。

自国の僧侶にはさんざん悪評をつくが、一方で日本人は実に信心深い。

信仰上の皇帝を世俗的皇帝は軽蔑しているが、迷信深い人民どもの目をくらますには必要だった。

江戸時代の仕組みなど、下手な日本語による解説よりよっぽどわかりやすい。将軍=皇帝というのも納得。

日本の庶民は、腹いっぱい食えさえすれば、どんなものでもそれで済ませる。

銅と鉄、綿花についてはほぼ自給できていた。

殆どの日本人男性が重度の喫煙者であった模様。

当時は葡萄とキャベツはマイナーだった。昆布は特筆すべき名産。

工業製品では、まず絹織物、刀、陶器、漆器

あ、蛇踊りの女って!

日本兵は砲兵にしろ歩兵にしろ火器が苦手。そして、要塞や砲台の知識に欠ける。

北部クリル人は髭を剃り髪を伸ばしているが、南部クリル人=アイヌは髪を刈って髭を伸ばしている。

高田屋嘉平の聡明さとリコルドとの厚情も心に残る。