月光―松本清張初文庫化作品集〈4〉 (双葉文庫)

月光―松本清張初文庫化作品集〈4〉 (双葉文庫)

 

 「河西電気出張所」1932年ころのことらしいが、現在でも本質は変わっていないので、フツーに読める。

「月光」田村ふさ女=杉田久女と羽島悠紀女=橋本多佳子の人生が、博多女の凄みを表徴している。そして、駄目男の須田不昂!  とはいえ、これは評伝&ゴシップに近い。

「統監」伊藤は山県と違って一人の女に執着しなかったのだと。軍艦に初めて乗った芸者、その名目は「侍婢」! 

統監は66歳。わたしはまだ21。親に渡す金もなく、養母には借金たくさん。統監のしつこい夜のつとめをさせられる上に、暴徒に殺されるなんてたまりません。おじいちゃんとの無理心中はまっぴらや!

こりゃ是非アニメ化してほしいわ。主人公は朝鮮国王に極めて同情的。