フランス語で読む5つの物語―美女と野獣・青ひげ他

フランス語で読む5つの物語―美女と野獣・青ひげ他

 

 ・美女と野獣→ainee(エネ) が長女,benjamine(ベンジャミン)が末娘なのだな。bete (ベート・野獣)が女性名詞なのが意外>同義で使われている monstre(モンストル)は男性名詞。高慢で嫉妬深く仕事嫌いで着飾るのが好きな女よりも,薔薇を愛し働き者だが読書や音楽を愛し怪物にも偏見のない女が幸福をつかむという教育的なお話。しかし,野獣の正体が王子という必然性はあるのだろうか?

・青ひげ→こちらは青ひげ実はイイ人なんてオチはなく,妻殺しの常習犯。突如現れる騎士の兄たちが正義の使者。妻が小部屋の鍵を開けてしまった(約束を守らなかった)ことへの罰はなしか! おまけに青ひげの財産をかっ攫い,一族郎党万々歳かよ(-_-;)  鍵の血がふき取れないというのが最大のホラーポイント。

長靴をはいたネコ→ネコの賢さを信じた(といっても全く本人は何もしていない!)三男が幸運をつかむ話。ウサギやウズラといったジビエは王侯貴族の好物なのだな。ogre とは鬼,怪物,化け物のことらしいが,ライオンにもネズミにも化けることができるらしい>ネズミに化けさせて一息に食っちまったネコGJ。しかし,農民たちは何故ネコの言いなりになったのかは不自然。

・親指小僧→飢饉のため,森に置き去りにされた7人兄弟。姥捨て山ならぬ子捨て森。その末弟の活躍?を描く>しかし,パン屑を目印にしようとして鳥に食われるとは詰めが甘い(-_-;)  ogre には妻と7人の娘!!がいるという設定はさすがにどーよ? 結局,娘全員自らの手にかけるわ,妻は全財産を差し出すわ ogre さんカワイソス。ともあれ,七里の長靴という発明は優れものだな~。

・スガンさんのヤギ→雌ヤギは自立心が強く,何時も繋がれている生活(code et enclos=綱と囲い)に飽き飽きしている>ロバやウシとは違うわという「自負」って設定だが,そんなもんなのか? そうかと思うと,自由になった途端,黒シャモアのオスと火遊びしたりするんやねw しかし,オオカミと闘って夜が明けて,こりゃあヤギ大勝利!と思いきや…あっさり食われてしまうという予想外の結末ナンダコレ??

☆☆☆