• 夕方の公園で

チビチビ焼酎を呑みながら羽衣のような雲を眺める。日差しは夏のものだが,風は秋風である。隣接する高校のブラバンの練習曲が♪ふるさと…なのがアレなんだが。セミの死骸をよけながら草むらをさまよって,蚊が湧く前に帰ることにする。午後4時か,銭湯の一番湯に這入る人たちとすれ違う。路地で見知らぬ初老の男に挨拶される…誰にでも挨拶する男のようだ。ふと見ると,小公園の木の幹にブナだのコナラだのの名札が付けられている。分類されることで辛うじて存在を許されるものの如く。スーパーの惣菜コーナーで,豚の耳をキュウリと和えたものを買う。何とか無事に噛めてよかった。ベートーベンの第二を聞き流しながら暫く熟睡した。起きてまた酒を呑んだ。そんな休日。