東京の空間人類学 (ちくま学芸文庫)

もはや古典ともいえる。今読むと、ああー、成程と思う部分と、ソコはどーよと思う部分が共存。

ヨーロッパでは社会構造のヒエラルキーがそのまま都市乗る空間構造のヒエラルキーとなって現れているのに対し、日本では町人の下町と武士の山の手とで、空間の構成原理が全く異質なのである。

九段小学校の裏手の崖戦の階段はモンマルトルを思わせる、とも言及。

小日向や我善坊町への言及も良い。

まあ、富岡八幡とか洲崎弁天とかもイイのだけれど、最近の江東区がホントに地金が出てヤヴァイ感じだしなー。

無縁のアジールなんて、2120年代にはすっかりタワマンや商業施設・大企業によって囲い込まれて、おまけにそのうち許可証がなければ通れないとかなりそうで、息も絶え絶えなんだけどねー。

路地は破壊されていずこも同じ画一性と機能性の金太郎飴状態だしねー。

二ホン独特の橋詰広場の重要性。

同潤会アパートを中心とするモダニズムの時代の都市生活者特有の粋な精神が満ち溢れていた。