隅田川暮色 (文春文庫)

もう、ニンゲン関係やら、チリ関係やら、序盤から精密につづられて間然するところなし。「染めた布の糊おとしは隅田川の水で洗ったという。川の濁りとともに、落合の神田川や、江戸川の方へ移ってゆき」

ヒロインの肺の病いからの回復も良い感じ。

西洋美術史助教授の内縁の妻なのか。

白い丈夫な紐を組んでくれ、という老婆、首を括るの、退屈だから。

蘇芳(すおう)は血の色、情念の色だから手に負えない。

武蔵野に少しばかり土地を買って紅花を栽培しよう。黄櫨も梔子もいい。

北陸まで訪ねてきた父は亡霊か?

隅田川の夕暮に船のまわりに人魂がふわふわしているのを見た。

突然の元妻の娘jkひろみの訪問で沸き立つ感情。

男と女は触れあえば、もうとことん離れ難くなるだろう。

女は一生かかっても本当の相手が分からないものだし、分かった時は手遅れなのです。

いやいや、冴子、罪な女やな。

ラストは意外なほどのはっぴーえんど!