この本が出た頃には、未だ「旨味」はそこまで市民権は得てなかった模様。へえ、穀物など植物由来のカリウムが優勢になったので、ナトリウムを摂取する必要が生じた、ってのは初めて聞いたわ。

たとえば、北日本は干物文化、南日本は塩漬け文化ってのも知らなかった。何しろ、コンパクトな本のわりに知見が詰まってるわさ。もう10数年前の本だが、縦横無尽に面白い。

今から見ると、塩と砂糖が世界史的に最も重要であるのは解る。苦味・辛味・酸味はあくまでヴァリエーションだとも思う。しかし、旨味も含め、それらが複雑に絡み合って複雑化しているのが、世界史において経済・社会・文化において極めて大きな影響を与えている理由なのだろう。

でも、味覚の現在に警鐘を鳴らしながら、味の素に甘いのはどうよ?