方丈記私記 (ちくま文庫)

方丈記私記 (ちくま文庫)

 

災害は諸行無常などというより、むしろ愉快、わくわくするような期待感…なのだという。

60ページの「こいつらのぜーんぶを海のなかへ放り込む方法はないものか、と考えていた」とあるが、「こいつら」が指すのは天皇とその取り巻き連中、そして忠良なる臣民の両方なのだろうな。

権力とは敵と妥協し、敵に対しては自己保存をはかることを自己目的とする。「日本」の業は深いのだ、と。

無常観は政治的である、という。諸行無常とは、冷静にして精確な認識のことを言う。世を捨てたからこそ、仏道にも朝廷にも文句を言える生臭さ。

 「身を益なきものに」というのは私もまた日々感じていることでもある。