私が殺した少女 (ハヤカワ文庫JA)

私が殺した少女 (ハヤカワ文庫JA)

 

 ネットも携帯もなかった時代。何と探偵なのにテレホンカードすら使ったことがない!  サッカーボーイがダービーで大敗し,ギル・エヴァンズが死んだ頃。電電公社や国鉄は民営化されて間もない。タバコはデフォルトで,聾や痴呆やホモは疑惑や排除や変態のあからさまな対象。確かにこんな時代,こんな東京の一隅を私も生きてきたのだったなあ…。アレレ,後半突然登場してきた清瀬なる人物が全ての黒幕かと思わせつつ,真犯人は最も身近に,最も発端に近い処にいる…というミステリーの王道でしたとさ。