「クラシック音楽」はいつ終わったのか?―音楽史における第一次世界大戦の前後 (レクチャー第一次世界大戦を考える)
- 作者: 岡田暁生
- 出版社/メーカー: 人文書院
- 発売日: 2010/09
- メディア: 単行本
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京大人文研シリーズ個人的第二弾。
・(ストラヴィンスキーは)<11の楽器のためのラグタイム>でハンガリーの民族楽器ツィンバロンを用い,「この楽器の調子外れなピアノのような響き」によってジャズを模倣しようとしている。
・打楽器のノイズと強烈なリズムは「蛮族」の象徴なのだ。打楽器的リズムの暴力を全面的に解放した先駆例の1つが<春の祭典>なのであって,それはジャズやロックといった「打楽器の20世紀音楽」の嚆矢であったとすら考えられよう。
・<第九>的なマス集団は,必ずや「排除される人々」を作り出す。これがアドルノの<第九>批判の要点である。……ただ世界に不幸が存在するために,…ユートピアの喜びも生まれてくるのである。
・(ベッカーによれば,)(バッハやベートーヴェンが)「世界市民的な性格」のものであり,とりわけバッハは「あらゆる境界を超えた人間性に向かっていた」のに対して,ワーグナーは徹頭徹尾「国家主義的な性格」を持っていたという点である。
なんてあたりに興味がもてました。