『闇の奥』の奥―コンラッド/植民地主義/アフリカの重荷

『闇の奥』の奥―コンラッド/植民地主義/アフリカの重荷

自ら訳した本を批判した本を同じ出版社から出すのが面白い。英文学者でも歴史学者でもなく齢80の物理学者ってのが凄い。で,メモをいくつか。

・〔背景〕産業革命の進行→黒人という生身の労働力資源をアフリカから吸い出し,わざわざ生みの彼方に送って農業生産に従事させることが時代遅れになる→八割の土地がまだ手つかずに残っているアフリカ大陸に眠っている天然資源の開発獲得に時代の関心が向けられ,ヨーロッパの食指,毒牙が動き始める
・〔コンゴ自由国の切り落とされた腕先の正体〕白人支配者側は,小銃弾の出納を厳しく取り締まるために,銃弾が無駄なく人間射殺のために用いられた証拠として,消費された弾の数に見合う死人の右の手首の提出を黒人隊員に求めた→銃を使わずに人を殺し,その手首を切り取って提出し,銃弾をせしめる者が現れた。
・〔「闇の奥」という中編小説〕二十世紀後半,世界の英語圏諸国の大学の英文学教科書として最も多く採用されてきた作品
・〔ベルギーと大英帝国〕レオポルドのベルギーを文明国と呼ぶに値しないと弾劾することで,とりわけビクトリア女王時代のイギリスでは,自国の植民地経営,帝国主義的侵略を正当化したい気持ちが強かったのである。コナン・ドイルはレオポルド二世のコンゴで行われた残虐行為を“世界史でこれまでに犯された最大の犯罪”とまで呼んだのだが,同時に,大英帝国の植民地政策,帝国主義の熱烈な支持者でもあった。政府の強制収容所政策を懸命に弁護もした。
・〔セシル・ローズの遺言〕植民地化はアフリカの全体,南米の全体,日本,さらに独立分離したアメリカ合衆国もやがては世界帝国の一部として復帰させることを目指し,イギリスが全世界を支配することによって戦争が不可能になる→有名な「ローズ奨学金制度」は,1902年以降,毎年数十人の規模で世界中の大学からの“選良”がローズの母校オックスフォードに遊学を許される
・〔Africanization〕アフリカの原始の魔的な暗黒がヨーロッパ白人に堕落と破滅をもたらしたとする考え
・〔ボーア戦争とアイルランド人〕イギリス軍に組み入れられたアイルランド人がいた一方で,戦前からトランスバールの鉱山などで働いていたアイルランド人の中には,ボーア人を,自分たちと同じく,イギリスの圧政下で苦しむ被害者と考えて,ボーア軍側に身を投じるものもいた。
・〔闇の奥再擁護論〕1950年代から次々に独立を果たしたアフリカ諸国のほとんどが,やがて,次々に醜い内部抗争,内戦状態の泥沼に沈み始める。「やはり,もともと,アフリカの黒人たちには自治能力などなかったのだ。独立は彼らに自家製の悲惨しかもたらさなかった。彼らはヨーロッパの支配下にあった方が幸せであったのだ」こうした言葉が白人の間で,また,白人化した黒人の間で語られ始めている現在の情況である。アフリカこそが「白人の重荷」の具現であるように思われる。G8の一員として日本もその重荷を背負う「白人」クラブに属する。しかしこれは見せかけの張り子の重荷,全くの虚偽の重荷である。「白人」がソロバンの合わない重荷を背負ったためしは古今東西ただの一度もない。アフリカ「援助」は,残酷なまでにタンマリと,採算がとれているのである。
・〔コンゴと日本〕広島・長崎の原爆に使われたウラン原料の大部分がコンゴのカタンガ地方から運ばれた。ソニーはプレイステーション2の発売後,コンゴからのコルタン(コロンボ・タンタライト)の輸入量を急増させている。コルタンが発見された土地から農民が立ち退かされ,手掘り鉱山で働かされることを強制されている。

コッポラの映画は大昔にいくつか見たけどどれも退屈だったので何も覚えていない。コンラッドも名前しか知らなかった。アーレントやサイードまできっちり批判しているのが素晴らしい。キプリングの傲慢詩「白人の重荷」の「白人」を日本人に,「君たち」を占領下のアジア諸民族に置換してみたくなる。

うぅーーん,やっぱこの再放送はネ申だゎ>2回半見ちゃったぉσ(^_^;) どれみもはづきもぽっぷもララもかわいい.....(((((ノ><)ノ はるかも麗子もゆきも色っぽい。「世界一不幸な美少女」ってじゃりん子チエで聞いたような気もするが…。「プリティーウィッチーどれみっちー」「ピーリカピリララ ポポリナペーペルト」「プップのプー」あーーークセになるq(°O°)p