美化されるヒロイン

巌窟王の大デュマの私生児デュマ=フィスが若干24歳で書いた椿姫を読了。聖女のような娼婦というテーマは無数のエピゴーネンを生み出しているが,その古典の1つで,やや冗長ではあるものの,今読んでも充分引き込まれる。いたぶったりいたわったり,作者のヒロイン・マルグリットへの愛が感じられるものな。…とはいえ,男の視点から理想化されている点は隠しようもないのだが。