花火・来訪者 他十一篇 (岩波文庫)

明治の新しい形式の祭には屡々政治的策略が潜んでいる 国民が国家に対して「万歳」と呼ぶようになった。芸者パレードに群衆の劣情が爆発した!

自分は日本よりも支那を愛する。暗鬱悲惨なるが故にロシヤを敬う。イギリス人を憎む。エジプト人をゆかしく思う。自分は汚名を世に謳われた不義の娘と腕を組みたい。

愚昧なる習慣に安んじ、罪悪に沈淪しながら、しかも穏やかにその日を送って居る貧民窟へ、正義道徳、自由なぞを商売にとて、売りひろめに来た悪徳新聞の記者先生!

日本人の面貌は表情に乏しく、陰険にして且下賤に見えるので、聴者に不快の念を起さしめる。

荷風は焼きパンとコーヒーの食事。で、西洋独活の缶詰って何?

自らその弱きを知って諦めの道に入ろうとすれば、寧ろ狡猾奸譎として憎み罰するようにも思いなされて来た。

「来訪者」の市川真間の手古奈堂、新川や鉄砲洲、箱崎、佐賀町、龍泉、尾久町、越前堀、葛西!