しかし語らねばならない: 女・底辺・社会運動

ガチのニコヨン。プロ文芸を経て、失対事業一筋30年、辛酸をなめたオバサンの魂の記録。息子が全共闘世代なんか!?

ヤミ米のルートを求めて狂奔し、男と同じ労働に身をおき、子育てに歯を食いしばった必死の生活の中で、理屈抜きに自らの虚飾をはぎとってしまった、たくましい女たちのあふれるようなエロチシズム。

大正初期、石神井の男たちの多くは北海道の炭鉱のへ集団で出稼ぎに行っていた、なんて知らなかった。

子だくさんの女たちも、避妊の技術は覚えても、個の確立ができるほど運動も進み得なかった。

大学で研究してどんな強力なものでもぶち抜けるようなものができないものでしょうか。

後半は「「救援」や「婦人民主新聞」の記事が目立つ。人権後進国で、何だか欧米基準ならまかり通っていた時代。

個人崇拝、上意下達、殉死の精神、この構造が新左翼にも今も残っている。

なぜ、自立や、解放をのぞむ女たちは、祖母や、青年たちを安易に利用するだけしか考えないのだろう。