小さな部屋・明日泣く (講談社文芸文庫)

小さな部屋・明日泣く (講談社文芸文庫)

 

 発表順に並んでるが、だんだん行替えが増えていって読みやすくなった。ってか、もう筆者の享年を越えてしまってたのだな(・_・;)

まるでカフカのような「小さな部屋」

2作目は五輪直前のアイボ。でも大人はわかってくれないので、少年少女がエロティックだ。

「穴」は上野の山~鶯谷

「ひとり博打」は、相撲、野球から始まって、映画、芸人、そして競輪に至るマニア遍歴。

「泥」も戦後の怒涛の季節。犯罪と食い物と乗馬。

「蛙」は病室での隣人の正気と狂気。

「明日泣く」はおそらくはモデルがいるであろうジャズピアニストのキッコが印象的。

「路上」はアルコール禁止のコロナ禍の街みたい。

「甘い記憶」~「道路の虹」はダメ人間への暖・冷いずれにも揺れない眼差しにみちる。