- 作者: W.サマセットモーム,William Somerset Maugham,天野隆司
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2015/11/11
- メディア: 文庫
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モームの小説なんて読んだ記憶がほとんどないが、非常に読みやすい。東南アジアを列強が支配していた時代。ニッチを生きる小悪党どもと気まぐれな名医サンダース。召使男の中国人アー・ケイが妖艶なり。
そして、適量のアヘンならば嗜好品なのだな。
日本人は潜水にかけては最高だが、体力がないんだとさ。
嵐に遭ってひとり恐怖にかられるサンダースは何だかんだでインテリなわけで。
ワーグナーの楽劇のレコードを聞いても、「すこしかび臭いもの」を感じて、中国の「もっと優雅な複雑さや、もっと品のない旋律に親しみを感じる」のである。
たわいもない自殺と情事と殺人。
民主主義国に住んでいること=買収できない人間なんて一人もいないということ そう、権力者の息子は殺人をしようが強姦をしようがお咎めなし