「戦跡」の戦後史――せめぎあう遺構とモニュメント (岩波現代全書)
 

 そもそも戦跡観光が、ある種の癒しと自己正当化を伴うのは必然か。

広島でも原爆ドームを消去しようとする感情は根強かった。そして、「核の平和利用」への危うい迎合ぶり。

沖縄に各県の慰霊塔が林立したのは南方戦線全般を代替するものであった、という倒錯!

特攻平和観音なるもののおぞましさ!

 

しかし、著者の文章は冗長だ。繰り返しが多く、疲れる。