無月物語 (現代教養文庫―久生十蘭傑作選 (895))

無月物語 (現代教養文庫―久生十蘭傑作選 (895))

 

 20年以上ぶりに再読。☆

・渡米日記…フラダンスについて「塩汲みが追剥ぎに逢ったという形」と酷評。サンフランシスコのバーで「ジンという焼酎の如きもの,ウエスケという泡盛の如きもの」と評しているのは興味深い。

・湖畔…「華族局へ隠居届を出し,…精神鑑定の請求をした結果,残欠治癒と鑑定され」とかそんな時代(*_*;  「交媾」とかも死語だよなあ。

・無月物語…昔は面白く読んだんだけど,今回はイマイチ。

・玉取物語…「伊勢の海のあまの志摩津が鮑玉,取りて後もが恋の繁けん」の「鮑玉」とは人間の精髄のことで,男は鰒玉,女は鮑玉。あまとは遊女のことで,鮑玉の一方が残っておれば子を孕めるの意,なんだって(*_*;

・うすゆき抄…ふみゅ。一色から板橋まで,「道の両側に棚を張り,唐の器物や葡萄牙の珍品やら山と積みあげて売り買いしている」んだと。「賀茂は神の子の転化語で」「賀茂宮で一万遍の大祓をした」とかホンマかいな??