O・ヘンリ短編集 (2) (新潮文庫)

O・ヘンリ短編集 (2) (新潮文庫)

 

 やはり最初の3編がよいな。☆☆☆

・賢者の贈りもの…クリスマスに,自らの髪の毛を売って20ドルを得て時計鎖を買った妻,時計を売って櫛1セットを買った夫。絵に描いたようなイイオハナシですな。しかし,この夫婦の貧困状態は何ら解決された訳ではないのだよ。

・アイキイのほれぐすり…アイキイは薬剤師経験者の筆者の投影か。恋敵の邪魔をするため,媚薬と称して睡眠薬を調合。いかにも抜けてそうなマッチョのマッゴーワンが,賢くも薬を恋人の父親に飲ませ見事に恋愛成就。ま,この後幸福が続くとは限らないんですけどね(^_-)-☆

・手入れのよいランプ…洗濯屋で蒸気まみれで働くルーが富豪と結ばれ,デパートで獲物を狙い続けていたナンシーが何の変哲もないルーの元カレと結ばれる。最後の白黒褐色の警官の様子まで含めて短編映画にでもなりそうなお話。

・人生は芝居だ…結果的には二人の男を手玉に取った美女が,中年になって再会する。ひねりも何もない韓ドラみたいなお話。

・ハーレムの悲劇…DVの1つや2つやってこそ男という時代も,そう遠くない過去にあったのだな。逆に自分から洗濯をする男なんてオトコラシクナイという時代…。

・マディソン・スクエア・アラビアン・ナイト…なるほど,筆者はアラビアンナイト好きだったんだよな。「自分のかくしている卑しさが肖像画にあらわれる」プルマ―なる絵描きという設定は面白いなあ。まぁ,妻が天使でよかったね(-_-;)

・運命の道…アドベンチャーゲームというか人生ゲームというか,3つのどの道を行っても結局死ぬのね(^_^;) 何故か舞台はフランス,いずれも女性絡み(-_-;)