カムイ伝講義

カムイ伝講義


マンガ評かと思ってたら,堂々たる文明論だった。それにしても,下欄のマンガの読みづらいこと…(-_-;) 常に現代と対比させる点は良かった。日置藩は概ね岸和田藩と推断されてるのね。以下メモφ(..)
・貴族階級の価値観は絹に集中していて,木綿を必要だとは考えなかった。
・中国船・ポルトガル船が中国,朝鮮のものを日本に運ぶことによって,朝鮮木綿・唐木綿のインパクトによる第一次国産化をうながし,オランダ東インド会社船がインド・東南アジアの木綿を運んでくることによって,…第二次国産化をうながした。
・死んだ牛馬の骨を陽にさらして乾かし,砕いて臼で粉にする。このような骨粉は肥料として薩摩に贈られた。…奄美大島,喜界島,徳之島へ送られ,そこでサトウキビの肥料になるのである。
・江戸時代の人々の生き方と仕組みを見ていると,互いに必要不可欠な仕事をすることで社会が成り立っている。いなくてもいいのはむしろ武士だったかもしれない。
・江戸時代の飲み屋や飯屋は,…腰掛ける場合はベンチ式の細長いものに腰掛け,飲み物食べ物は脇に置くものなのだ。…江戸時代の人々の生活の中には,…人と食事空間を共有する食卓,というものが存在しないのである。食卓を囲む,という考えもない。