大浴女―水浴する女たち

大浴女―水浴する女たち


これは紛う方無き傑作である。やはり主人公達がまだ少女であった前半の,危うさと瑞々しさと仄暗さと微かな百合モードが凄くよい。アルバニアの女ゲリラの映画とか,ソ連のモード雑誌とか,孟由由の作る世界の料理とか,唐菲の浮き上がり方とか…(これら第二・第三世界の事物は第一世界へと邁進する富裕な現代中国と極めて対照的だ)。後半はやや下世話になり過ぎな感はあるものの,律儀に1つ1つ過去にオトシマエをつける流儀がカッコイイ。