倒立する塔の殺人 (ミステリーYA!)

倒立する塔の殺人 (ミステリーYA!)


この糞暑いのにミステリーなんか読んでられるかよ…って気分なのだが,作者自らがミステリーを放棄しているのは良かった。そしてある意味,8月半ば恒例の戦時小説でもあるのだが,生活や労働の手触りは極めてリアルでありながら,何かはぐらかしてる感じが漂うのだった。そして,女生徒どうしの愛憎(その頂点には sister の s がある)にしても,作者を換えながら綴られる不思議な形式にしても,絵空事っぽくて,そーいやぁこの本って図書館のジュニア小説のコーナーに並んでて表紙が百合漫画っぽくて借りたんだよなーと思い出した…。