- 作者: 田原(Tian Yuan),泉京鹿
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/06/26
- メディア: 単行本
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この人の歌も映画も知らないが,予想外に硬質な文章で(とはいえ,水莽の如くたおやかでもあるのだが)特に前半は面白かった。「人と人とが互いに理解できるなんて彼女は信じたことがなかった。ひとりひとりがみな密封された個体なのだから。従兄の顔の輪郭をなぞりながら,陳言は再び目を閉じて,自分に言い聞かせた。これはただの皮袋……」「木は人よりも素敵だ。繁殖の方法が野蛮でなくて,どちらかと言えば自分の存在に責任を持ち,複雑な社会も,商品経済もない」
しかし,ケータイってヤツは小説や映画の敵だな>あくまでも私にとってはだが…。身も蓋もない言い方をするなら,中の上(に成り上がった)階級の一人娘のロストヴァージン&妊娠?の話だが,武漢と北京の近過去の日常が活写されている(特に高校生の「勉強」の中身とか,料理とか住環境とか)。それにしても,日本のヲタっぽい文化の浸透度はかなりのものなのねぇ。ま,ニルヴァーナは私にはドコがイイのかサッパリわからんのだがな…。あ,象魚ってのはこんな感じ↓