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李箱作品集成

李箱作品集成


20世紀前半にはもう爛熟していたんだな…と改めて痛感。掘り下げようとすれば極めて難解な話ではあるし,技法と人生が深く絡み合っているようないないようなだし,何より日帝支配下の朝鮮を男性ジェンダーで(日本を女性ジェンダーで)象徴している倒錯が興味深いし,なぜか最も気になるのが「黄牛と鬼」なる不思議な童話だったり。いや,むしろ聞き知らぬ音楽を聞くごとく快感に充たされる読後感だったのだ。