• これぞホントの地下生活者?

きゅうりの王さまやっつけろ (岩波少年文庫 87)

きゅうりの王さまやっつけろ (岩波少年文庫 87)


マルチーナかわいいよマルチーナ(^_^;) ナシゴレン風サワークラウト食いたい…かも? 70年代のオーストリアの15歳の少女は夏にテントでユーゴスラビアを旅するのか…。主人公ボルフィーも魅力的だし,姉も母も祖父も,最後には弟も味方に引き入れて父と戦うという図式はやはり時代というものか? ハスリンガーとかリーブカ&ラブーガといった脇役もキャラが立ってる。クミ・オリには土と粘土と湿気が必要であるという主張も「緑の人々」を思わせる。一方,自動車保険会社の地下室で暮らすクミ・オリは,コンクリートに自分たちを合わせて真っ白になり昔の書類を食べている…というグロテスクな姿に描かれる。まぁ児童文学なので家庭の平和は保たれ秩序はあっさり旧に復するのだが,これが全面戦争になりつつあるのが21世紀の現実なのかもしれない。訳者が文京区議であったことは知ってたけど,3年前に亡くなっていたとは知らなかった。