ISBN:4622080451:image(JLフィリップ・みすず書房)

「朝のコント」を読んで感心したのは18歳のとき。その姉妹編とも呼ぶべきこの本をようやく読むことができたのだが,むしろ陰鬱で死の影に憑かれて殆ど救いのない噺が中心のように思われる。ユーモアも灰色というか…。いや,絶望の世紀である21世紀にこそしっくりくると云えなくもないが,必ずしも求めていたものではなかった感が強いのだ。しかし,最初の10編くらいまでは必読といっておこう。