• 帝国とその彼方

アントニオ・ネグリ講演集〈上〉“帝国”とその彼方 (ちくま学芸文庫)

アントニオ・ネグリ講演集〈上〉“帝国”とその彼方 (ちくま学芸文庫)


マルチチュードなんぞに一切興味はないが,まぁ↓の辺りは少しはおもろかったかな。

テレビは,主人の,そしてより一般的には権力の機能のイメージと類似によって,可視的な世界を再構築しようとしています。テレビは「下に向かって」双方向的であり,それを支配し,解体し,そして最後にそれを生産します。戦争は,現実の偽装からもろもろのグローバル・ファンタジーの語りへと向かう言語にしたがって語られます。
代表制は,つねにマルチチュードを剥奪するものなのです。もし批判的な自己省察の努力を少しでもすれば,このことは明らかであり,だれもが理解できることです。ホッブスからカントにいたるまで,近代政治学全体のうちには,代表制の概念と結びついた存在論的な限界が存在しています。