• 植民地小説

族譜・李朝残影 (岩波現代文庫)

族譜・李朝残影 (岩波現代文庫)


とりわけ「性欲のある風景」は,牛の烈しい交尾→金本との会話でモヤモヤ→淫売窟の少年兵→映画館での妄念→敗戦の告知…と極めて映像的で完成度が高い。「族譜」は親日派の大地主の温厚な人物を設定し,小役人たる「僕」の「無知の涙」を描くという作者20代前半の作品とは思えない老練さが際立つ。玉順のその後の悲惨さも想像できる。「李朝残影」は20世紀のファン・ジニの如きキーセン・金英順のプライドを活写する。彼女の絵を描くうちに次第に惹かれていく野口だが,彼の父は3・1独立運動の際に英順の父を虐殺した張本人であることが判明する。小説としてはベタに過ぎる気もするが,朝鮮の「失われゆく」風俗習慣は最も描かれている。
梶山季之といえば,私の故郷の書店の招きで講演に来たのを見に行ったことがある>ほどなく急逝したのであるが。

相変わらず救いようのない話やなぁとエンドロールの小さな文字を見ながら,宮嶋幸役に桑谷夏子…ほへー,全然わかんなかった(http://nk88725.btblog.jp/cl/0/1/2009/1/20/)。そして,メチャメチャ可愛い声の滋田加世役に松元環季だとぉ!! うわぁ,私のネクストブレイクアクトレス東の正横綱じゃん❤ まだ9歳だからリアル加世でもおかしくはないんだよなぁ(~_~;)