ラインの白い霧とアクロポリスの円柱

ラインの白い霧とアクロポリスの円柱

 

 ・このような(コペルニクスメンデルのような)天空と大地についての長い緻密な観察は、古くから颱風と地震の国である吾国の学問僧によって嘗て一度たりともおこなわれたことはなく、彼等が研鑽したのは、ひたすら、この「憂き世」における私達の「死生観」だけであった。

・私にとってのレーニンは、彼の希求する「国家の死滅」を「彼自ら」が強化した「党」そのものによって阻止してしまった自己矛盾に対する「見せしめ」のため、赤い広場の前に無残に「曝される」ことになった悲劇のひとにほかなりません。

もう30年前に買った本だが、ようやく読了。晩年の埴谷には吉祥寺ですれ違ったことがある。死後ほどなく住まいは更地となり他人の住宅となった。☆