黒猫・黄金虫 (旺文社文庫 505-1)

黒猫・黄金虫 (旺文社文庫 505-1)

 

 37年前に古本屋で140円で買った旺文社文庫。注釈が同ページ内にあり,鑑賞・評論・人物紹介まであるのが懐しい。なるほど,推理モノというよりも,ポー自身の言うアラベスクモノかぁ。「死や殺人や自然界の変異と関係のある恐怖感を読者にいだかせる雰囲気を細心にもりあげること」に手腕を発揮…という意味では,ミステリーやサスペンスの嚆矢ということになるのだが,それが象徴主義の詩から生まれたとのを忘れてはなるまい。