草の根のファシズム: 日本民衆の戦争体験 (岩波現代文庫 学術 452)

老人、女性 子供までも一体となった中国民衆のやむことのない抗日戦争は 日本人の予想をはるかに越えるものだった。

ふーん、内務省系の愛国婦人会、軍部の支援を受けた大日本連合婦人会、文部省系の大日本連合婦人会ってのがあったのか。

満州国流入した日本人の多くは浮かれ気分で過ごしており、旅の恥はかき捨てだった。

戦争のために生活の基盤を根こそぎ奪われたのだが。その戦争に全面的に協力することに、矛盾は全く感じなかったのである。

虐殺のシステムの中に意思に反して組み込まれ、しかもそれを阻止しえない、なんともやりきれない思い。

中国戦線では、日本軍が完敗する以前に降伏したために、聖戦を信じた者の善意が侵略戦争の現実の中で崩壊することなくそのまま戦後に持ち越された。

真の激戦、苦戦、飢餓などを体験した兵士たちの中には、敗戦ないし停戦を歓喜して迎えた者が少なくなかった。