貧民の帝都 (文春新書)

貧民の帝都 (文春新書)

 

 明治維新前後の江戸の惨状!!

最初の公的救済施設がNECと慶応大の間にできた三田救育所であったらしい。で、賤民は高輪救育所へ。

まあ、現代の東大医学部の南、東京芸大上野高校三井記念病院の北、錦糸町の北西、文京区大塚公園、大山駅の東などに養育園があったのだ。

現代の井の頭自然文化園の北西、萩山の南東にも感化学校が。

浪人と窮民と囚人は同格であるらしい。

貧民を救ったのが江戸時代の備蓄米であったのは皮肉。町会所と溜と寄せ場もまた、徳川の遺産。しかし、新政府はもはや自己責任論に凝り固まる。

軍靴と便所紙の増産。

渋沢栄一の二面性。艶福家として、貧民への同情の強さと。

そして、賀川豊彦の「傑物」ぶり。