- 作者: 鵜飼哲,酒井直樹,テッサ・モーリス=スズキ,李孝徳
- 出版社/メーカー: 以文社
- 発売日: 2012/09/24
- メディア: 単行本
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・個人の国民への帰属は,身寄りや家族からの独立(個人化)と,国民の全体への想像的かつ無媒介的な参加(全体化)の2つの契機によって支えられていることがわかる。しかも,個人の自己確定において,国民の全体への帰属は,最も重要な要件となるのである。
・「日本人論」に現れた語りの位置の固定化によって追求されるアイデンティティ・ポリティックスは,日本人として自己画定する者を植民地的な権力関係の下に捕縛する典型的なオリエンタリズムの言説である。
・北朝鮮に対する日本のマスコミの報道がまさにオリエンタリズムの再生産に他ならないことは(日本人のアイデンティティが実は植民地主義の産物であったという)事実を見事に示唆しています。グローバル化の1つの帰結が,第一世界における「負け組」と人種主義の問題ではないか。
と曰う酒井直樹の前半生を初めて知ったわ。
・でも,閉会式はなかなかよかったでしょう? 閉会式の舞台で「SORRY」という言葉が大きく書かれたティーシャツを着て,アボリジニに対して謝罪しようというメッセージを伝えました。
と云うTMスズキは何のこっちゃだが…。
・中東の左翼学生は自国の大学のキャンパスでムスリム同胞団とやりあわなければならなかった。そのとき中東諸国の体制側,西洋帝国主義の同盟者の側は,そうした団体による左翼潰しを援助した。
・日本にとって朝鮮,中国は,ヨーロッパにとってのユダヤ,アラブに相当するのではないかと思います。近代的な意味の「日本」意識には,中国と朝鮮を,すくなくとも文化的に抹消しようとする脅迫的な衝動が内属されていると考えたほうがいいでしょう。