三たびの海峡 (新潮文庫)

三たびの海峡 (新潮文庫)

 

 回想と現在進行形が入り交じり、ぐいぐい引きこまれる。主人公のカッコ悪さが素晴らしい。そうだよ、みそ汁には雑多なモノをぶち込みたい。

 労働に明け暮れ恋に目覚めて海峡に振り回されて老境にさしかかった主人公が息子と対面する。

ボタ山の印象や入会地のことも興味深い。

 息もつかせぬ北九州・玄界灘・釜山逃避行。故郷での軋轢と冤罪、そして別離。

コールマインパークはさておき、ラストの落とし前の付け方も佳い。

荒川区の路上で読了できてよろしい。

解説要らね(~_~;)