さすがに吉行淳之介編だけに、格調高い。いきなり永井龍男がウィスキーロックを否定し、北杜夫が試験のヤマの張り方を指南する。星新一が焼酎の医学的用途に言及し、梅崎春生が戦争末期の良心的酒場を懐かしむ。

坂口謹一郎が愛ある泡盛蘊蓄を語る。田村隆一黒田三郎の酒乱をバラす。日本酒の酒席を嫌う伊藤整、酒乱の父をもち酔漢への武勇伝を語り尾久での初恋を綴る加太こうじ

小松左京の文と解説の坪内祐三のみ詰まらなかった。