天皇とアメリカ (集英社新書 532C)

天皇とアメリカ (集英社新書 532C)

 

 もう8年も前の本。オバマ登場時の話であるが無謀な期待であったということだな。アメリカと天皇という枠組みの中でしか想像力が働かないという状況はさらに深まっているのでは?  対談形式ということもあって、全体に能天気だな。

近代的な天皇と宗教的なアメリカという最初のテーゼ。米英人は日本帝国主義に好意的であった。特にアメリカはテクノロジーがアイデンティティの一部になっている点で親和的。

天皇の男性化にともない、天皇の身体が軍事化され、男らしさの称揚が始まる。

アメリカの支配は、相手の国の自由を認め、そのナショナリズムを支援することを通じて、その支配体制が世界化する。 

天皇制を無形世界遺産にしようとすると、遺産産業として宮内庁の民営化も考えられる。

敗戦直後の8/16に、朝鮮全土の神宮・神社の「昇神式」を行って、神体や祭文などは全て焼却された。