ロシア日記: シベリア鉄道に乗って

ロシア日記: シベリア鉄道に乗って

 

 境港からトンヘ(東海)経由ウラジオストクの船旅。こんなルートがあるのかあ。作者は料理家の人らしいが、ロシア語は全く知らずに旅立ったようだ。食い物の話は当然面白く詳しめだが、韓国人、中国人、ロシア人、モンゴル系、ロマの違いの観察が鋭い。しかしまあ、徹底してアナログな旅である。パソコンもスマホもなしか?  写真がないのが惜しい。川原さんの絵も少ないなあ。ガイドさんたちや、ロシアの人たちが魅力的だ。そして、作者の筆致も同じくらい魅力的に淡い。偶然にも本文の旅と同じ、6月の東京の湿気の中で読むと、全くの別天地!  作者は同世代だが、神戸に疎開しているのだな。